Tour Programs

ものづくりの源流をたどる旅

Journeys into Nature, Culture and Human Creativity — 京都・長野、2つのツアープログラム

Kyoto / 2026.10.13–15

Tracing the Origins of Making

ものづくりの源流をたどる旅

A Journey into Nature, Culture and Human Creativity

ものづくりは、どこから生まれるのか。AIが急速に発展する今だからこそ、「人がつくること」の意味が改めて問われている時代。

このツアーでは、アートや工芸作品を見るだけではなく、その背景にある土・水・風土・人の営みを訪ね歩きます。建築、庭園、微生物、和菓子、包丁、そして民藝。それぞれ異なる分野に見えるものづくりの根底には、自然と共に生き、その土地の素材を活かすという共通の思想があります。

参加者に持ち帰ってほしいこと

  • ものづくりは作品から始まるのではなく、風土から始まる。
  • 自然は資源ではなく、創造性を育むパートナーである。
  • 職人とは、土地の記憶を未来へ受け継ぐ存在である。
  • AI時代だからこそ、人の手が生み出す文化の価値を問い直す。
北林功
Host
北林功・佳奈 夫妻
Art Design Kyoto や Kyoto Triennale を企画・主催する COS KYOTO 主宰。アート・工芸専門家。江戸時代の循環型社会のあり方を現代に活かす Edononomy 研究家でもある。

TOUR ITINERARY ツアー行程

Dayテーマプログラム
DAY1
10/13(火)
Earth – 土を知るWhat Makes a Place Capable of Making? 京都駅 → MIHO MUSEUM → 昼食 → 島本微生物工業 → 大津泊
DAY2
10/14(水)
Water – 水を知るHow Does Water Shape Culture? 大津 → 貴船神社・水源 → 昼食 → 亀屋良長 和菓子体験 → 食道具竹上 → 京都泊
DAY3
10/15(木)
People – 人を知るWhy Do We Continue to Make? 河井寛次郎記念館 → Dialogue Lunch → Kyōto YouMe Triennale(渉成園)
DAY 1|10/13

土を知るWhat Makes a Place Capable of Making?

HIGHLIGHTS
  • 建築・工芸・ランドスケープにも共通する「自然と協働する」という思想を学ぶ。
  • 「土は資源か、それとも生命か?」という問いに触れる。
  • 微生物・発酵・土壌の循環を、実際の農場で体感する。
  • 土を「管理する対象」ではなく、「育てる存在」として捉え直す。
MIHO MUSEUM
■ MIHO MUSEUM

建築そのものが「自然との共生」を語る美術館

建築そのものが「自然との共生」を語る美術館

ルーヴル美術館のガラスのピラミッドで知られる建築家 I.M.ペイ が設計。中国古典『桃花源記』の世界観をモチーフに、桜並木、トンネル、吊り橋を経てたどり着くアプローチそのものが「現代の桃源郷」として設計されています。

建物の約80%を山中に埋め込み、自然の景観を損なわずに建築を成立させる思想は、「人が自然を支配する」のではなく、「自然の中に建築を溶け込ませる」という姿勢を体現しています。

島本微生物工業
■ 島本微生物工業

土は、生命を育む「生きた環境」である。

「健康な作物は、健康な土から生まれる」という考えのもと、微生物の働きを活かした土づくりを実践・研究してきた島本微生物工業。土を単なる栽培基盤ではなく、生命を育む生態系として捉え、有用微生物や発酵の力によって土壌本来の力を引き出す「島本微生物農法」を確立しています。

研究農場では、実際の圃場を歩きながら、土壌・微生物・植物がどのように関わり合い、循環するのかを学びます。化学的に「育てる」のではなく、土の生命力を育むという考え方は、これからのものづくりや環境デザインにも多くの示唆を与えてくれます。

DAY 2|10/14

水を知るHow Does Water Shape Culture?

HIGHLIGHTS
  • 京都の文化を育んできた「水」の源流をたどる。
  • 水は単なる資源ではなく、信仰・暮らし・ものづくりを支える存在であることを知る。
  • 清らかな水が、和菓子や刃物など、日本のものづくりの品質を支えていることを体感する。
  • 自然の恵みを活かし、永く使い続けるという日本のものづくりの哲学に触れる。
■ 貴船神社・左源太

京都の文化を育む「水のはじまり」を訪ねる。

古来より京都の水源を守る神として信仰されてきた貴船神社。鴨川の源流域に位置し、水は生命や農業だけでなく、京都の暮らしや文化、ものづくりを支えてきました。自然の地形や森が育む豊かな水循環を感じながら、人と自然が共生してきた歴史を学びます。

昼食は、貴船の自然と水辺の景観を活かした左源太にて。水の流れとともに過ごす時間そのものが、この土地の風土を体感するひとときとなります。

亀屋良長 和菓子
■ 亀屋良長にて和菓子づくりワークショップ

水が和菓子になる。

1803年創業の京菓子司・亀屋良長は、京都の良質な地下水を用い、四季折々の和菓子を作り続けています。和菓子づくり体験では、素材だけでなく、水の質や季節、職人の繊細な手仕事が一つの菓子を生み出すことを学びます。

目には見えない「水」が、美しさや味わいとして形になる、日本ならではのものづくりを体感します。

食道具竹上
■ 食道具竹上

道具を育て、使い継ぐ文化。

食道具竹上は、「修理しながら永く使う」という思想を大切にし、包丁の調整、本刃付け、更生修理を通して、日本の刃物文化を現代へ受け継いでいます。

新品を売ることではなく、一丁の包丁の性能を最大限に引き出し、長く使い続けることに価値を見出す姿勢は、日本のものづくりを象徴する考え方です。単なる道具ではなく、人の手によって育てられる「一生の道具」としての包丁に触れます。

DAY 3|10/15

人を知るWhy Do We Continue to Make?

HIGHLIGHTS
  • 「ものづくり」と「暮らし」が一体となった日本の美意識を体感する。
  • 作品ではなく、生き方そのものが創造であるという思想に触れる。
  • 3日間の学びを振り返り、AI時代における「人がつくること」の意味を考える。
  • Kyōto YouMe Triennaleを通して、自らの創造性や実践へと学びをつなげる。
河井寛次郎記念館
■ 河井寛次郎記念館

暮らしそのものが作品になる。

陶芸家・河井寛次郎は、器だけでなく、住まい、家具、庭、暮らしのすべてを一つの創造として捉えました。館内には陶芸、木工、彫刻、建築が自然に溶け込み、「用の美」の思想が息づいています。作品を鑑賞するだけではなく、「どのように生き、どのようにつくるのか」という問いを参加者に投げかけます。

■ Dialogue Lunch

旅を一つの体験へと統合する昼食

器、食、空間、対話を通して、この3日間で出会った「ものづくり」を振り返ります。

Kyōto YouMe Triennale
■ Kyōto YouMe Triennale(渉成園)※希望者のみ

AI時代に、人はなぜつくるのか。

3日間の体験を経て、Kyoto Youme Triennale の展示と向き合うことで、「つくること」の意味をそれぞれの視点から問い直します。

Nagano · Ina Valley / 3泊4日

「建物と暮らしの関係性」を体感する

3泊4日ツアー

南アルプスと中央アルプスに囲まれた長野県・伊那谷地域。この土地には、山や川、自然と共に生きながら築かれてきた、日本の暮らしや建築文化が今も残っています。

今回のツアーでは、単に観光地を巡るのではなく、「建物と暮らしの関係性」をテーマに、地域に受け継がれてきた文化や自然との関わり方を体感していただきます。

折山尚美
Host
折山尚美
和のハーブや野草を専門とする料理人・蒸留家。山に住まい、コミュニティの女性や若者を支援している。

TOUR ITINERARY ツアー行程

Day時間プログラム
1日目 午後から 大平宿 - 山村建築と暮らし
2日目 午前|終日 大平宿 - 山村建築と暮らし/地域文化と建築・自然循環
3日目 午前(選択制) A:今田人形/B:中川村 日本蜜蜂見学/C:下條村 古民家改修現場・塩澤邸見学
3日目 午後 天龍峡 - りんご文化と農家民泊
4日目 午前 天竜川 和舟ライン → 移動・解散
1日目・2日目

大平宿 - 山村建築と暮らし

大平宿
■ 大平宿

山村建築と暮らし

1日目午後から2日目午前にかけて大平宿に滞在。山村に受け継がれてきた建築と暮らしのあり方に触れます。2日目は終日、地域文化と建築、自然の循環との関わりを体感します。

3日目 午前

選択制プログラム

今田人形
A|今田人形

南信州に受け継がれる伝統芸能「今田人形」では、地域文化や祈り、人々の営みの歴史に触れていただきます。人形浄瑠璃を通して、地域に残る精神文化や、世代を超えて受け継がれてきた価値観を感じることができます。

B|中川村 日本蜜蜂見学

中川村では、古くから里山の自然と共に生きる「日本蜜蜂」の養蜂文化が受け継がれています。日本蜜蜂は、土地の花々を巡りながら、自然の循環の中で静かに生きています。

見学では、蜂たちの暮らしや巣箱、里山との関係性に触れながら、自然界の調和や循環について学びます。

「蜂が暮らせる環境は、人も豊かに暮らせる環境である」

小さな命の営みを通して、人と自然が共に生きる感覚を体験していただきます。

土壁
C|下條村 古民家改修現場・塩澤邸見学

下條村では、現在進められている古民家改修工事の現場視察や、歴史ある「塩澤邸」の見学を予定しています。古民家改修の現場では、単に古い建物を保存するのではなく、地域に残る建築技術や暮らしの知恵を、現代の暮らしへどのように繋いでいくのかを学びます。

木組みや土壁、素材の使い方、風や光を取り入れる空間設計など、日本建築が持つ自然との関係性を体感していただきます。また塩澤邸では、地域に受け継がれてきた建築文化や、家と庭、人と自然が一体となった日本の空間美を感じていただけます。

建築は単なる「建物」ではなく、地域の風土や暮らし、人々の価値観を映し出す存在であることを、実際の空間を通して体験していただきます。

3日目 午後

天龍峡 - りんご文化と農家民泊

りんご
■ りんご狩り

天龍峡周辺は、南信州におけるりんご栽培発祥の地のひとつとして知られています。昼夜の寒暖差や豊かな水、河岸段丘の地形など、自然条件に恵まれたこの地域では、古くから果樹栽培が暮らしの一部として根づいてきました。

りんごは単なる農産物ではなく、季節の営みや家族の仕事、地域の風景そのものを形づくってきた存在でもあります。りんご狩りを通して、自然の循環の中で育まれてきた地域の暮らしや、人と土地との関係性を感じていただきます。

農家民泊「燕と土と」
■ 農家民泊

夜は地域の農家で民泊。その土地の食を味わい、地域の方々と時間を共にしながら、日本の暮らしの背景にある価値観や文化に触れていただきます。建物は、単なる宿泊施設ではなく、家族や地域、人との関係性を育む場として存在してきました。

農家民泊『燕と土と』

古民家の古き良きと快適性の凝縮された空間。宿の中には歴史を感じる太い梁、四季折々の自然を映し出す抜けるような眺望、どこか懐かしさを感じる囲炉裏、火を眺めながらリラックスできる薪ストーブ、体の芯から温める五右衛門風呂など、レトロシックな癒やしの空間です。

4日目 午前

天竜川 和舟ライン

天竜川 和舟ライン

最終日は、天竜川の和舟ラインへ。古くから川と共に暮らしてきた地域文化を体験します。かつて物流や人の移動を支えた川舟文化は、自然を制御するのではなく、水の流れや地形を読みながら共存してきた知恵でもありました。

天龍峡の渓谷美を眺めながら、自然と人との関係性を身体で感じていただきます。その後、移動・解散となります。